【オトナの色気】
- Hoca Higuchi
- 2014年11月13日
- 読了時間: 3分
このところ、すき間の時間を見つけては 先日の文学賞の授賞式でお会いした3人の作家の先生方の作品を読んでいます。 なぜって、せっかくの歓談の席で会話のきっかけがもてなかった反省があったので。 それは敬意をはらうという意味でもあるけど、 作家ご本人とわずかでも会話を交わすと 文章がそれまでとは比較しようもないほど身近に感じられて、イメージが膨らんで、 まったく違った楽しみ方ができることに気づいたから。 私にとって、まったく初めてだったのが、 芥川賞をはじめ多くの受賞歴をもつ堀江敏幸先生の作品でした。 3人の先生方の作品はまったく違うジャンルで作風も違うけど、 どの作品も大人の色気が漂っています。 それは愛を表現するシーンがあるという意味でなく、 文章の中、表現の中にちらりと見える色気、 その作家にしか描けない独特の空気感、 それぞれに人を惹き付ける異なる色、と言えばいいでしょうか。 たとえば私が描いている水墨画は墨だけで表現するけど、 そこに色を感じられるとよく言われます。 作品を通して感じられる色は、きっと作家によって様々なので、 たぶんそれに似た感覚でしょうか。 私は絵を描くせいか、 小説や詩などにもイメージとしてカタチを思い浮かべることが多いのですが、 絵でいえば、逢坂剛先生、唯川恵先生は具象です。 堀江敏幸先生の作品は具象をモチーフにしているようでかなり抽象に近く、 読みすすめながらモネの絵画のようだなと思いました。 印象派のモザイク画、近くで見ると輪郭が掴めないけど、 少し離れてみると繊細で光に浮かび上がるような文章。 独特な艶っぽい表現もところどころにちりばめられていて、 まつげを撫でられているような風をふっ、と感じました。 交わしていただいた言葉や、その口調を思い出しながら じっくり読み進めています。 さて、今日は全日本水墨画秀作展の授賞式です。 今回はありがたいことに、厚生労働大臣賞をいただきました。 やはり作家は、作品について少し話してみたり、 他愛ないことでも、足を運んでくださった方と会話を交わすことで、 鑑賞する側のイメージを膨らませることができるのだと気づいたので 口べたですが、今日はちょっと頑張っていろんな方とお話してみようと思います。 日本の伝統アート。掛軸のモダンスタイルが集結します。 【第44回 全日本水墨画秀作展(軸装展)】 〈入場無料〉 会場:東京都美術館(上野) 会期:2014.11.8(土)~11.15(土) 9:30~17:30・最終日14:00迄 後援:外務省・文化庁・東京都・テレビ朝日・秀作社出版 ※作品の販売はありません。 作家へ連絡が取りたい場合、受付にいる秀作社の方にご相談ください。 ※作品集は一般書店で販売されます。会期中は会場でも購入可能です。 会場で見かけたら、ご案内いたしますので、遠慮なくお声かけください。
